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株式会社リクルート 千葉智之さん 「超楽観主義」の僕も転職については悩み抜きました

 今回のインタビューは株式会社リクルートの千葉智之さん。

 千葉さんは昨年、9年間勤務した鹿島建設からまったく異業界のリクルートへ転職。現在は、クーポンマガジン「ホットペッパー」の事業部で、事業企画グループに所属し、事業戦略の立案などを担当している。新宿にある250店舗のタイムセール情報を携帯電話へ毎日提供するWebサイト「ヨリミチニュース」では、企画開発から運営までを手掛けた。

 またプライベートでは、ソーシャルネットワークサービス「GREE」内のコミュニティを中心に「パワー・ランチ」「パワー・ディナー」を主催。週刊ダイヤモンドや東洋経済臨時増刊号などにその活動を取り上げられるなど、GREE内はもちろん、幅広い業界でその名を知られる存在だ。

 今後さらなる活躍が期待される千葉さんが、転職するまでに歩んできた道のりはいかなるものだったのか。コミットメンツ羽方康がお話を伺った。

現在のお仕事に就かれる以前の経歴
転職するまでの経緯
現在のお仕事について
将来的に考えていること
人脈について
転職を考えている人たちへ
影響を受けた本/最近読んだ本

(プロフィール)

千葉 智之
ちば ともゆき
株式会社リクルート
街の生活情報Co.
事業企画室 事業企画G
兼 領域戦略G
兼 街の新事業開発室

(経歴)
1996年
広島大学卒業
1996年
鹿島建設株式会社入社。広島支店に配属の後、競艇場やダムの建設に携わる。2000年に東京支店に配属。以降、汐留、赤坂の超高層ビル建設プロジェクトを担当。
2005年3月
鹿島建設株式会社 退社
2005年4月
株式会社リクルート入社

現在のお仕事に就かれる以前の経歴

「人」で選んだ就職

千葉さんは広島大学を卒業された後、鹿島建設に入社されました。まずは、鹿島建設に入社された経緯とそこでのお仕事についてお聞かせください。

 僕が就職活動をしていた頃は就職氷河期の時代でした。当時は僕自身、これといってやりたい仕事があったわけではなく、色々なところに行ける全国規模の企業の方がいいと思っていたくらいです。学生時代にはイベントサークルをやっていて、パーティーやスキーツアーの主催をしたり、あとはフリーペーパーなんかも作っていましたね。しかし、それらを直接就職と結び付けて考えることはありませんでした。ですから、片っ端から大手企業の採用試験を受け、結果的に3社からの内定をいただきました。その中で鹿島建設を選んだのはリクルーターの方や面接官の方たちがすごく良かったからです。つまり建設で何かがしたかったのではなく、「人」で会社に入ったんです。
 
 鹿島建設では広島支店に1年間勤務し、その後は現場勤務で、下関の競艇場、瀬戸内海の島に建設するダムの現場を担当しました。その後、東京へ転勤になり汐留、赤坂の超高層ビル建設を任されました。大規模の建設現場には、現場ごとに事務系の社員が配属されるんです。仕事内容は経費の管理と近隣対策が主でした。建設現場は近隣対策がKSF(Key Success Factor)といえるくらい重要なんです。というのも1日何百人という作業者が現場に入っているため、大規模の現場で近隣とのトラブルによって1週間作業が止まると、1週間分の人件費が無駄になり、億単位の損失が出ますから。 

 東京に来てからは仕事量も一気に10倍くらいになり、1年間くらいは毎日夜中の2時とか3時まで仕事していました。それまでは田舎のダムの現場の近隣対策で、近隣住人のところで将棋を差したりとのんびりと仕事をしていましたが、汐留クラスのビルは150億とか200億円の予算規模でしたからね。僕の仕事量も増えましたし、自分に掛かかる責任やプレッシャーも大きくなりました。

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転職するまでの経緯

くすぶっていたパワーを糧に

千葉さんはリクルートにいるのがものすごく自然な感じがします。だから転職に関して、そんなに迷わなかったのではないかと思っていましたが、実際のところどういう経緯で転職されたのですか。

Photo よくいわれるんですが、そんなことはありません。転職に関してはずっと悩み続けていましたよ。

 鹿島建設の待遇や人間に対して全く不満はなかったのですが、仕事内容で選んだ就職ではなかったため、4年くらい経つと仕事がつまらなくなってきたんです。まぁ、これを一生やるつもりはないなと。だからかなり早い時期から、やめようとは思っていました。

 でも、自分の本当にしたいことがわからなくて、ちょうど東京に来て仕事が落ち着いた頃から、ビジネススクールのグロービスでMBAの初歩コース6科目を学びに行き始めました。当時は常に自分は何をしたいのだろうとくすぶっていましたから、そのパワーがグロービスに行くことや、パワーランチ・パワーディナーなどのイベントをやることにつながったんだと思います。といってもパワーランチはただみんなで集まって話をしながらお昼ごはんを食べるだけですけどね。

 グロービスに通ったことは転職に大きく影響しました。あそこに通っている人はみんな向上心の高い人たちばかりです。自腹で高いお金を払って勉強しに来ているし、そこで身につけたことを活かそうと転職していく。周りにそういう人たちが多かったことは、転職の最後の一押しにはなりました。

 そうやってビジネススクールに通いながらも、自分の仕事についてはずっと考え続けていました。僕は大学時代に塾講師をしていた経験もあるので、人に何かを教える仕事がしたいなと思っていたんです。でも、さらに考えると、自分が教えるのが好きだということは、結局僕は何かを発信してそれに対して「ためになった」とか「楽しい」とかレスポンスを受けることが、好きということです。つまり、メディアだなと気づき、そこで初めてリクルートが出てきたわけです。

 リクルートはこの2年で300人くらいの中途採用をしています。知り合いを連れて来るキャンペーンのようなものがあり、僕は紹介を受けてリクルーターの方に直接合いにいきました。リクルートの方には僕が自分でお金を払ってビジネススクールに通っていた、その向上心を買ってもらったとは思っています。でも、ゼネコンに10年いた異業種、異職種、未経験の人間を採用する懐の深さって、たぶんリクルートくらいしかなかったんですよね。

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現在のお仕事について

好きなことと仕事が重なった

千葉さんは今、20代OLをターゲットにした携帯向けサイト「ヨリミチニュース」を手掛けていらっしゃいます。そこで取り扱っている内容は、千葉さんがオフタイムに活動していることと、かなり重なっていますよね。つまり、今の千葉さんはオフとオンの境目がないように思えるんです。そこで、オフタイムと仕事の境目がないということについて、そのメリット、デメリットをお聞きしたいのですが。

 オン/オフの話でいくと、鹿島のときは結構オン/オフがはっきり分かれていました。というのは、自分が本当にやりたいことかを考えずに選んだ仕事だったからです。でも、リクルートに入ってからは、好きなことをやっているので、仕事といいながら、ある意味仕事じゃない部分もあります。だから今は「好きなことと仕事が重なった」という状態ですね。

 鹿島のときは週末仕事の資料を読むなんてことはなかったです。仕事は仕事、休みは休みという感じでした。でも、今は会社の資料を休みに読んでも何の苦にもならないんです。仕事だから、休みだからという話じゃなく、面白いからやっているという感じですから。だから、今はそこがすごくいい状態です。

 自分のやりたい仕事に就いている人は、やりたくない仕事に就いている人より幸せです。好きでやっているということは、そのぶん仕事に対してポジティブに向き合えるということですから、それは大きな強みだと思います。

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将来的に考えていること

やりたいことは変わっていく

千葉さんはリクルートに入って、「やりたいこと」と「やれること」が一致しましたよね。それでも、やはりまた次に転機が来るだろうなという予感はありますか。

 3年が区切りかなとは思っていて、僕はそのとき35歳です。リクルートには仕事軸で入っているんで、その35歳の時にやりたいことがリクルートでできるのであれば、そのままリクルートにいるだろうし、例えば他のところに行かないとそれができないのであれば、そこへ行っているだろうし、自分で事業を立ち上げたいんだったら立ち上げているかもしれません。

 今は具体的にこれがやりたいってのはないんです。メディアに関わっていて楽しいですけど、将来こういうことがしたいっていうのは固まっていません。いずれにしても、やりたいことっていうのは変わっていくと思っています。

 でもやっぱり、今でも講師はしたいと思っています。将来的には講演してその講演料で食べていければ一番いいですけど。ま、何をしゃべるんだ、というのはありますが、それは今やっているリクルートでの仕事が成功すれば、そのノウハウを伝えるみたいなことでもいいかもしれないですし、イベントやっていて得た人脈の広げ方みたいな話でもいいかもしれないです。

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人脈について

人脈をつくるのに大切なのは見返りを期待しないこと

千葉さんはイベントを通じて得た人脈づくりについてのノウハウをご自身のブログ「ノーコンセプト・ノンポリシー」で公開していらっしゃいます。しかし、人脈という言葉は人によって使い方が違うと思うんです。そこで、千葉さんがいうところの人脈とは何か。そして人脈づくりで千葉さんが大切にしていることを教えてください。

 まず、人脈をつくるのに大切なのは「見返りを期待しないこと」です。

 そもそも人脈というのは予測不能なんです。今、ここで羽方さんとお話をしているというのも、もともとは何の予想もしていなかったことです。偶然に偶然が重なってこの場にきている。だから僕は何かをしてもらいたいから人脈を作ろうとしたって、うまくいくはずがない。何も期待しないで、相手に何かをしていれば、うまくいくんじゃないかなと思っています。

 そうやって、相手との信頼関係を築いた結果、「自分が何かあった時に助けてくれる」というのが本当の人脈だと思います。「見返りを期待しないこと」と「何かあった時に助けてくれる」は一見矛盾しているようですが、僕は別に助けてもらおうと思って人脈を作っているわけではまったくない。そもそも何も期待していないわけですよ。見返りを期待しないでやってあげるというのが、一番相手からも信頼されますから。

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転職を考えている人たちへ

悩み抜いてください

今の20代30代の人たちは、就職氷河期の時代に就職し、自分のやりたい仕事につけていない人って多いんだと思います。その中で、結果的に動いている人と動いていない人が出てきていると思うんですが、その道を通り抜けてきた千葉さんはその経験をもとに、転職を考える人たちにどんなことを伝えたいですか。

 悩み抜いてください。

ってことですかね。本当に自分のやりたいことが分かっている人っていうのは、考える必要はないですよね。ゴールが見えているわけだから。やりたいことが分かっていても動かない人は結局、現在の会社の待遇とか地位にとらわれているってことだと思います。たぶん本当にやりたいことが、見えていないんだと思います。つまり、悩み足りないんじゃないでしょうか。

 僕は「超楽観主義」なので、本来その発想でいくと仕事について悩まずにやり過ごすこともできたんです。しかし、僕にとって一番大切なのは時間なんです。で、仕事は起きている時間の8割近くを費やしているわけですから、それがつまらないっていうのは、人生そのものに関わります。これは悩まなきゃいけない問題だと思っていました。

 僕は、考えないことには前に進まないと思うんです。悩んでいた当時を振り返ってみると、一見堂々回りをしていたかのようでも、実はちょっとずつ前に進んでたんだと思います。まぁ、24時間深刻に悩んでいたわけじゃないですけど。

 僕の場合は、そうやって悩んでくすぶっているパワーを溜め込まなかったことが、良かったんだと思います。例えばビジネススクールへ行くとか、ブログを書いてみるとか。僕の場合、転職はしないまでも、何かをしていたんですね。仕事について悩んでいる人も、そうやってできることから行動に起こしてゆけばいいんじゃないかと思います。

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ありがとうございました。

影響を受けた本/最近読んだ本

(影響を受けた本)
「マーフィーの法則」 
アーサー・ブロック 著/倉骨 彰 訳 (アスキー)

今でもたまに見たりします。
もともと楽天家なので、マーフィーの法則みたいな人間なんですけど、この本を読んでさらに、楽天家が加速しました。

(最近読んだ本)
「フラット化する世界」(上・下巻) 
トーマス・フリードマン 著/伏見 威蕃 訳 (日本経済新聞社)

僕は常に本をよんでいます。ビジネス書とか自己啓発の本とかが中心ですね。本はすぐ買ってしまうので、読めない本もたまってますけど。これっていうのはないですが、他に大前研一とかの本はよく読みますね。ズバっと言い切ってますから。

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