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Photo人との出会いの中で、自分の道が見えてきた


コジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
藤井礼二さん


今回のゲストは、ジョンソン・エンド・ジョンソンでご活躍の藤井礼二さんです。
「ロールモデル」についてとても参考になるお話をお聞かせいただきました。

経歴
医師になるつもりで留学→ビジネスの世界への転向
その1:コンサルティング(PwCC)
その2:MBAと投資銀行
その3:事業会社
これまでの経験を振り返りつつ、今後の展開を考える
仕事は楽しむのがモットー
キャリアチェンジに際し、迷う人へのアドバイス 藤井さんはこんな本を読んでいます

経歴

1994年6月  海城高校卒業後、渡米&ESL Program
1995年5月  アメリカ、ミズーリ州セントルイス ワシントン大学
  (Washington University in St. Louis)医学部進学コースに進学

1999年 同大学卒業
1999年5月 ワシントン大学医学部付属病院 外科 遺伝子研究室
2000年5月 プライスウォーターハウスクーパースコンサルティング(PwCC)入社
2002年8月 同社退社
2002年8月 ワシントン大学(Washington University in St. Louis)
  オーリンスクールオブビジネス(MBA)に入学

2004年 同校卒業

2003年5-8月 サマーインターンとして投資銀行業務を経験
2004年7月 ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 メディカルカンパニーに入社

医師になるつもりで留学→ビジネスの世界への転向

大学在学中に会計士合格!
 僕は小さいころからずっと医者になりたかったので、高校卒業後に渡米して1年間英語の勉強をし、セントルイスにあるワシントン大学の医学部進学コースに生物学専攻で入りました。
研究室ではDNA研究をやり、卒業後は医学部に行く準備も兼ねて1年ほど研究室に残ったんです。
ところが、元々ビジネスが好きだったこともあって、この時期に「自分はほんとうに医者になるべきなのかなあ」と考えたんですね。
当時はヒトゲノム解析の真っ只中でDNA治療、製薬などのバイオテックのビジネスが最盛期だったんです。そんなブームも手伝って方向転換してビジネスの世界に転換することを決めたんです。
そうは言ってもビジネスのバックグラウンドがないので「いっそコテコテのビジネスの分野に行こう」と思って見つけた仕事がプライスウォータハウスクーパースコンサルティング(PwCC)の仕事だったんです。

そうして藤井さんはビジネスの世界で「三極」といえる世界を体験するのでした

その1:コンサルティング(PwCC)

コンサルティング業界への入り口
PwCCには自分の小学生時代の家庭教師が就職したのを覚えていたので、調べてみるとその人は当時シニアマネジャーになっていたんです。その後、その人と話してみるとこれが面白そうなことをやっているんですね。
だからその人に頼んで入社前2ヶ月間インターンをやらせてもらいました。このインターンがうまくいたので無事に彼のところに配属されることになったんです。
医療からコンサルタント、という大きな転換だったのに、「すごい方向転換をした」という感覚は意外と自分の中にはありませんでしたね。すんなりするするっと入っていけたのは人のつながりがあったからかもしれません。

コンサルティングを選んだ理由
プロフェッショナルとして仕事がしたかったんです。
コンサルタントが雇われるという事は、顧客が持ち合わせていない専門知識や方法論を求められるということですよね。
万能ではないけれど、得意分野を持ちその能力を求められて仕事を依頼される、そういう部分では医者と共通するプロフェッショナルな仕事なんです。
そのあたりが、最初のとっかかりでした。

コンサルティングでの初仕事とコンサルティング業界で学んだ事
PwCC入社後、いきなり大手の自動車メーカーのプロジェクトに配属されました。マネジャーと僕の2人だけで、マーケティングのKPI(Key Performance Indicator)を定義するプロジェクトでした。
KPIってそんな簡単じゃないんですよ。だから頭も使うし、お客さんが優秀な方たちだったのもあり対等にお話するためにともかく勉強しました。お客さんのところにいる時間以外は勉強をして、それでもすごい量の作業をこなす必要があったんですね。
その時はもう、仕事しかしていませんでしたね。
いきなりしょっぱなから大変なプロジェクトでブッ飛びましたけど、すごく手応えもあって面白かったです。
その後は大手メーカーを中心に業務改善のプロジェクトをいくつも経験しました。手応えのあった仕事、心に残るプロジェクトがいくつもあり、さまざまな分析手法や業務改善のプロセスについて実践し、学ぶことができました。それに、自分の強みを活かしてお客さんと一緒に問題解決をしてゆくというコンサルティング業は僕にとっては天職でしたね。

その2:MBAと投資銀行

「ファイナンス」と投資銀行業界への入り口
その後PwCCで所属していた部署が「戦略コンサルティング部」に変わり、今までよりも高度な戦略的なアプローチをする必要が出てきたんです。戦略的思考の中ではファイナンスの知識が必要になるのですが、僕は理系出身で会計の知識がないんです。だからアカウンティングやファイナンスの研修を受けてもさっぱりわからないんですよ。
そもそもファイナンスの言葉なんて外国語に聞こえるし、物の考え方がよくわからない。それで「どうせならMBAでファイナンスの勉強をしよう」と思うようになりました。

そんな時にある銀行の投資銀行部門の人に出会ったんです。日系アメリカ人でNYにて投資銀行業務を経験し、ロンドンを経て日本に来て、 30代前半で投資銀行部門の部長になった人です。
今まで会った人の中では一番か二番かっていうぐらい頭が良くて話していると面白くて止まらないんですよ。その人の話を聞いてると、 投資銀行がやっていることはまさにファイナンスなんですよ。
その中で、今まで聞いたこともないようなやり口があったり、そのやり口も非常に戦略的だったり、その中にもどっかしらゲーム的な感覚があったり、しかもボロボロに儲かる、と。
その人、そんなに自分と歳も変らないのに高級マンションに住んで、イタリア車に乗って、ともかく度肝を抜かれました。
"Boiler Room"(邦題:「マネー・ゲーム 株価大暴落」)って映画の1シーンみたいでした。
今考えると、そのときはマネーゲームが面白かったんだと思います。そういったことから、投資銀行に魅力を感じたんですね。
「こういう仕事があると知っていたら、最初に投資銀行に入ったのに!」と思いましたよ。
だから「ポストMBAの仕事は俺も投資銀行だな!俺もイタ車に乗るぜ!」って心に決めたんです(笑)。

MBAでファイナンスの勉強
ワシントン大学のMBAコースに入学して、まずファイナンスとアカウンティングだけ勉強しました。その後サマーインタ?ンシップで先ほどお話した投資銀行部門の部長の下でレバレッジファイナンス(LBOやMBO)をやりました。
結構大きい案件もあって、非常に面白い仕事でした。

相手の顔が見えない世界で・・・
投資銀行の実務では、ひたすらスプレッドシートに数字を入れてファイナンシャルモデルばっかり作っていました。
成立する案件なんてほとんどないんですが、ディールが成立すればそのディール・サイズの何%かのコミッションが貰えて、その上お金を貸せば利子で稼げますから、1つの案件が決まりさえすれば数十億から数百億の単位で儲かるんですね。
「よくできてるビジネスモデルだなあ」というのが僕の印象でした。
仕事は面白かったし、投資銀行の良いところも、同時にビジネスの怖さも見る事ができました。
給料も良かったし、どっかの会社を買ってしまうとか、何年で会社を売却するとかいうのをスプレッドシートの上でやっていると、 なんだか自分が世の中を動かしているような気分になりましたね。

投資銀行の世界からコンサルティングの世界を振り返ってみて
「なんてちっちゃい事をやっていたのかな」と思いました。
でも、その時は調子に乗っていたのでそう思いましたが、 今、会社の経営側に立つとPwCCでやってたことはすごく重要な事だと思います。
逆にPwCCでの経験があったから自分はいわゆる「現場経験」がないにもかかわらず、現場の活動が理解でき、且つその重要性も理解できるんだと思うんです。
でもね、やっぱり「業務改善で2億円コスト削減できました」なんていうのは、投資銀行で2500億の案件に携わっている時にはどうでもいいように思えましたね。

コンサルタントと投資銀行の人の違い
投資銀行の人はみんなアグレッシブで、アタマがむちゃくちゃ良いんです。コンサルタントも頭は良いんですが、人も良いんです。
ところが、投資銀行の人はある意味根性が悪いんですよ(笑)。
根性が悪くて頭のいいヤツっていうのはビジネスをやる上では最強ですね(笑)。
結局、そういう人たちの中で仕事をしていると、儲かれば良いし、儲かったもの勝ちだし、そのためには手段は何でもっていう気になってくるんです。
でも、自分はどうもそんな投資銀行の文化に馴染めなかったんですよ。仕事は面白いし、儲かるし、でもいつも何か満たされないものを感じてたんですね。
仕事しながらいつも「自分のやっていることが世の中のためになってんのかな?」って考えちゃうんですよ。でも、多分あんまりそんな事考えちゃいけないんですよね。
別にどっちが良いとか悪いとかじゃなくてどっちが自分の肌に合うか合わないかの問題なんです。

結局、投資銀行へは進まず事業会社を選んだ理由
投資銀行に行けば一生懸命やってそこそこ成果もあげたと思うけれど、「果たして俺は本当にこれをやりたいのかな?」と考えたんです。あのエクサイティングな世界には未練もありましたけど、ともかく自分は経営者になりたい、会社を経営してみたいと思ったんですよ。
それに当時一緒に就職活動をしていたMBA仲間と「いつかはプロジェクトXに出れるような仕事をしよう」と言っていたのもあって、 実業をやれる事業会社で仕事をしてみようと思ったんです。
コンサルタントが天職だと思っていた自分がまさか事業会社に勤めるとは思いませんでした。でも、やっぱり経営をやりたいんだったら一度は事業会社に入らなくちゃダメだなと。
メーカーにこだわりがあったわけではないけど、組織の大きなところで、 人を雇って育てて、それを配置して、在庫管理をしながら物やサービスを作って、売って、お金をもらって、という事をやってみたかったんです。
会社を選ぶ時には医者になりたかった頃の初心に戻り、USの製薬会社、ジョンソン・エンド・ジョンソンといった医療業界、それにGEのようなグローバル・コングロマリットの会社を選びました。
会社を選ぶ視点はすごくシンプルで、グローバルな企業であること、「グローバルタレント」という考え方を持っているところでした。

その3:事業会社

事業会社への入り口
事業会社に行こうと思った一番のきっかけも実は「人」でした。
投資銀行でのインターンシップ終了間際にGEの藤森氏に出会って、大きな影響を受けたんです。
藤森氏は、日本の商社からGEに転職して、その後海外でも認められた日本人にしては珍しい経営者なんです。日本人では初めてUSのGEプラスティック社、社長などを経験され、GE本体の役員会メンバーにもなった、そういう経歴を持っている方なんです。
初めて会った第一印象は物凄い「オーラ」のある方でした。でも話してみると全然威張ったところもなくて、あったかみのある人で、人間的な魅力と経営者的な手腕の両方を兼ね備えているんですよ。
いわゆる「トータルな人間の魅力」がある方なんです。
それで「俺もこういう人になりたい」と思いましたね。
やっぱり僕は、日本という枠ではなくて、世界の枠の中で仕事をしたいと思ってここまできたので、彼はまさしく自分のロールモデルだったんです。

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社(J&J)に就職
でも結局、GEではなくJ&Jに入りました(笑)。
実はいろいろと悩んだのですが、 ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社の社長から「自分の下で働かないか」と誘われたんです。
社長直属の部隊で働けるのであれば、「経営を学ぶにはもってこいだな」と思いました。
それにジョンソン・エンド・ジョンソンはアメリカでも超優良会社、そして医療関連では最先端の会社なので自分にとっては申し分の無いオファーでした。
就職してすぐは半年くらいファイナンスで経営企画の仕事をしていました。 その後「戦略企画部」が発足し今はJ&Jの経営戦略の仕事をやっています。
とは言いつつ実は何でも屋なんですけどね(笑)。

事業会社に入ってみて、見えてきた事
今の仕事は、会社の中長期の戦略を立てたり、プロジェクトベースでビジネスユニットの成長戦略を考えたりというのが中心ですね。
その他にもBPRのデザインプロジェクト、研究所を造るプロジェクト、オーガニゼーションチェンジの仕事なども担当しています。最近ではアジア・パシフィックから1,000人以上の人が集まるイベントを担当しました。本当にいろんな事をやっています。
ただ、今のポジションにいると会社全体が見えますから、それはすごく面白いですね。
会社全体のことのみならず医療業界、医療全体の話も、今の僕のポジションであればこそ見えるのだと思います。
そんな中で、いわゆる事業会社の社員とコンサルティングといったプロフェッショナルな仕事との違い、経営の難しさ、というのを日々実感しています。

経営というのは、コンサルタントをやっていたときのようにきれいな事だけじゃなくドロドロした物がいっぱいあって、人にしても組織にしても商品にしても、「無駄なこと」がいっぱいあったり、無駄だと思ってもやらなくちゃいけなかったりするんです。
だから経営者というのはロジカルにだけ物事を考えていれば良いわけじゃなくて、もっと複雑で「もやもや」っとした側面があるんだな、ということが見えてきました。ただ、その「もやもや」をそのままおいておくと、会社のパフォーマンスが落ちるし、経営者としては失格なんです。
世の中が変ってゆくスピードはほとんどの経営者がついてゆけないぐらい速いんです。だからこそきちんと変革をリードして実行してゆけるかが大事なんだと思います。
今の社長って自分とは全く違うタイプなんですが、それだけに日々学ぶことも多いし、経営って多分いろんなやり方や視点があるんだなって気がしてきました。

事業会社という環境で、どう持ち味を出すか
自分の持ち味はともかく変革に対して積極的であるところだと思うので、その辺りはこれからもこの会社の中で活かしてゆきたいですね。
僕自身は、クリアな発想でどんどん決断し、切るところはある意味ドライにスパッと切る、いい方向に進むと思えばどんどん変革を促してゆくというやり方でビジネスをまわしたいですね。ウェルチや藤森さん、それに日産のゴーンや松下の中村さんみたいな経営をしたいと思っています。
ところが会社や経営者は思ったより保守的だったりするんですね。その中で、いかに自分が変革をリードしてゆくかが大事なんですが、なかなかそこは実現が難しいですね。
コンサルタントだったら正論ばかりを述べられるんですけど、会社の中にいるとなかなか正論ばかりも言っていられない、正論が通じないこともあるんです。 最初の1年くらいはそんなまどろっこしいのが嫌で嫌で、いつ辞めてやろうかと思っていました。
だけど今になってみると、そういう葛藤は必ず存在するし、そういう環境の中で時代に合わない物の考え方をどう変えていくか、考え方を変えなくても会社をどう変えるか、どうやって会社を良い方向に持っていくか、という技を徐々に身に付けてきたと思います。

事業会社としてのJ&Jの魅力
「もう辞めてしまおうか」と思ってもなかなかこの会社を辞めない一つの理由は、やっぱりJ&Jという会社に魅力を感じるからですね。
例えば、J&Jの「我が信条(Our Credo)」 にはJ&Jの良さがよく現れていると思います。
「我が信条」とは弊社の活動が誰の視点に立ってなされるべきかを定義した守らなければいけないガイドラインなんです。
第一に顧客、またその家族、それにサプライヤーの視点、第二は社員の視点、第三には地域社会の視点、そして第四の視点として株主価値ということになっているんです。
アメリカの会社で株主が4番目なんてとんでもない話ですが、それは「上の3つをしっかり守れば、4つ目は自然とついてくる」ということに尽きるんです。

経営陣はさまざまな意思決定の局面で、この「信条」に沿って「本当に自分たちのやっていること、あるいはやろうとしていることが顧客・社員・地域社会そして株主にとって正しいことなのか」という事を考えます。
そうした信条を持っていることで会社は長期的に大きな成長を遂げ続けているんですね。企業価値創造と言ってもいろんな定義がありますが、長期的な企業価値の創造という面では、この会社より優れている会社はそうはないと思っています。
そしてこの「我が信条」がきちんと浸透するように仕組みが作られているのもJ&Jの凄さの一つです。まず、そもそも表現が易しく書かれているから誰にでも理解しやすく浸透しやすい。そして年に一度クレドーサーベイを行ってこの信条がきちんと守られているかどうかをチェックする一種のマネジメントシステムが確立されているのです。
J&Jが地域社会への貢献活動に積極的なのは実はこの信条があるからなのです。毎年売り上げの数%が地域社会貢献のために必ず予算として取ってあり、世界中で活動が行われています。災害が重なった時などは緊急予算も組みました。災害時に現地に最初に着くのは大体J&Jの医療関連製品なんですよ。
価値観・経営理念がしっかりしているから継続的な成長を続けることができる。そんなJ&Jから学ぶ事は非常に多くありますね。

これまでの経験を振り返りつつ、今後の展開を考える

「人から学ぶ」というスタイル
今までの自分のキャリアって、その時その時のロールモデルがいて、そこにいかに近づけるかなんですよ。
最初は元PwCCのシニアマネジャー、次に投資銀行部門の部長で、今はGEの藤森氏ですが、こういった方々からものの考え方や見方など色々学ぶ事がありました。 今でもどの方からも学ぶところがあります。
数ある成功者の中でも特に共感できる人が見つかった時には、 その人の生き方や考え方をロールモデルとして学ぶのはすごく良いと僕は思うんです。
これからは早く自分のスタイルを確立することが大切なんだろうなと思っています。
自分はこれまでロールモデルとなった方々との出会いでここまで来れたんですね。
だから、自分もそういう影響を後輩達に与えたいと思い、J&Jでは新入社員研修を率先してやるようにしています。

今の新入社員って社長になろうと思って会社に入って来ないんですよ。
昨年の新入社員研修で「社長になりたいヤツいるか?」って聞いたら誰も手を挙げないんですよ。 PwCCの同期ならほとんど全員手を挙げましたよ。いろんな理由があるんだろうけど、ひとつ考えられるのはロールモデルになるような人に 出会ってないんだろうなと思うんです。
そんな今の若い世代のモチベーションをどれだけ上げていけるかというのもこれからの僕の課題の一つだと思います。

これからの自分
日本に留まらず、世界で仕事をしたいですね。 日本をないがしろにしようと言うのではなくやはり世界で勝負してみたいですね。それにせっかく医療の基礎を学び、その分野にいて、なおかつそれが好きなのだから、世界で医療を通してなんらかの貢献できれば良いなと思っています。いずれは日本に戻ってくると思うんですが、外を見てから日本に戻ってくるのと、外を見ないで日本に留まるというのは、多分大きく違うと思うんです。

いずれは経営者に
起業も含め、J&Jのように地盤のしっかりした会社を経営したいと思っています。
経営者になれるのなら起業にはこだわるつもりはなく、この会社の経営者になることも視野に入れていますし、あるいはどこかへ転職して経営者になってもいいと思っています。
僕は転職には非常にオープンで、普段から自分にあるオポチュニティーを知るためにもヘッドハンターに会っています。
自分のキャリアは大事ですからね。自分のキャリアは自己実現するためにあるのですから僕は形式にはこだわりません。

仕事は楽しむのがモットー

僕は仕事であればどんな事でも楽しくやるのがモットーです。 苦痛でも絶対に悲壮感は見せない、失敗しても悲しまない、笑い飛ばすくらいにね。反省はしますよ(笑)。
仕事が楽しいと、プライベートの時間がなくても、たとえ家で仕事をしていても苦にならないんです。外科医である父の仕事を見ているからかもしれません。
父は75歳になってもまだ医者をやっていて、 仕事もプライベートもあったものじゃないんですが、仕事が面白すぎて定年退職のタイミングが見つからないんですよ。
きっと仕事が好きなんですね。
そういうのを見ているから、仕事というのは楽しくやるものなのかな、好きでやるものなのかなと思います。
転職する時にも、今の仕事や会社が嫌だから転職するというのは、やめた方が良いと僕は思います。
会社を変わったって嫌な事はいっぱいありますから、それではいつまでたっても自分に合うものは見つからない。
それよりも早く自分がやりたい事を見つける、それから働きたいと思う会社を見つけること。
それがあればちょっと大変でもがんばれるし、嫌だと思わなくて済むと思うんです。
単純に仕事だけ切り取って面白い、面白くないと言ったら、どんな仕事を切り取ったって面白くないですよ。
やりたい事があって初めて、仕事を切り取っても面白いんだと思います。
やりたい事がなかったらただの苦痛です。 仕事は8時間の「拘束」になってしまいますよね(笑)。

キャリアチェンジに際し、迷う人へのアドバイス

「コンサルタント→投資銀行」で迷う人へ
まず投資銀行で何をするかという事があります。
例えばコンサルタント出身ならPMI(Post-Merger Integration)をやりたいという人が多いと思いますが、投資銀行ではPMIをやるチャンスは案外少ないかもしれません。それに、PMIも実際にやってみると案外地味でポリティックスと人切りの話が多くて、見た目ほど面白くないかもしれませんよ。
やりたいことと投資銀行の実際の業務をよく理解することが必要だと思います。

それから投資銀行でやるなら、相当ファイナンスの知識が求められるし、 いわゆるコンサルティング的な発想「誰のため」とか言い出したらやってられない環境ですから、 その辺を割り切ってやれるかどうかということがありますね。
考え方やペースがコンサルティングとはずいぶん違いますし、みんなともかくパワフルで、アグレッシブなので、順応するためにも、 コンサルタントから金融に行くんだったら若いうちに行った方が良いですね。

「コンサルタント→事業会社」で迷う人へ
コンサルタントから事業会社に移る多くの理由は「改革を手伝うだけでなく、主体性を持って最後まで見届けたい、だから事業会社の経営企画をやりたい」というものが多いようです。
それはすごく正論だと思う。

でも、事業会社でも改革を最後までやれるところって実はあまりないんです。
それは覚悟してこないと、 きれいごとで全部片付くところじゃないですからものすごく苦労すると思います。
転職する前に覚悟しなきゃいけないのは、コンサルタントって共通言語がありますが、それは事業会社では通じないということです。
事業会社とコンサルティング業界では環境や考え方が違いますから。それに流れている時間の早さが格段に違います。
プロジェクトベースでゴールがある仕事と違い、半永久的に継続してやっている仕事がほとんどだから流れているスピードもとっても遅いんです。

だからコンサルタントが事業会社に就職すると、「なんじゃここは?」と絶対に思うはずなんです。
いろんなことが意味不明で苦労するんです。でもそれは現実として受け入れて、ある程度割り切らないといけませんね。
相手の視点に合わせて自分も?です。
大事な事は、事業会社の現場でやっている事は結局売り上げや利益などの数字に直接結びついているんです。
それでも改革をするというのは物凄いパワーが必要で、それには必ず結果責任が伴うということです。
どんな改革をやっても、それが結果に結びつかないのなら、どんなにやっても意味がない。
それは事業会社ではクリアなんですね。
そこにこだわりを持ちたいのだったら、事業会社に行く意味があると思います。

藤井さんはこんな本を読んでいます

(最近読んだ小説)
“Memories of a Geisha”(邦題:「SAYURI」) アーサー・ゴールデン著

「ダ・ヴィンチ・コード」  ダン・ブラウン著

(最近読んだビジネス書)
「ウィニング」  ジャック・ウェルチ著

(影響を受けた本は?)
影響を与えた本というと、小学生の時まで遡って、エジソン、松下幸之助と豊田佐吉の伝記、それに最近では吉田松陰の本ですね。やっぱり人の生き方には学ぶ事が多いです。

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