
■ 経歴

◆早稲田大学卒業
◆KPMG会計事務所 入所
様々な企業を研究し、OB訪問も繰り返すことで、なんとなく自分がやりたいことが見えてくる。当時はバブル全盛期だったため日系企業のグローバル進出が盛んで、それを裏で支える国際会計事務所がとても格好よく見えたため飛び込んでみた。想像と違いルーティンワークの繰り返しが多いのが実態だった。「このまま熟練するよりもクリエイティブな仕事がしたい。」と思うようになった頃、コンサルティング会社の立ち上げを側で見る機会に恵まれ、コンサルティングに対して興味を持つように。勉強のため退所を決意。
◆財団法人社会経済生産性本部で経営コンサルタント養成講座を1年間受講
◆アクセンチュア 入社
2年間のシステム開発プロジェクトを経て、製薬会社の情報システム改革マネジメントグループにて会社のシステム化計画のコンサルティング業務、製薬会社向けの新サービスの立ち上げ業務を経験。十数億までに売り上げることができたが、初めの半年間は全く売れず悶々とする毎日。今だから言えることだが、当初は何をやっても上手くいかず、よく泣いていた。ただそれが今に繋がる学びとなったと言える。「新しいことを立ち上げるのは大変で苦労も多いが、その分得ることも多い」ということをあの頃初めて体感。
◆ベンチャー企業
「新しいことは楽しい」という快感癖がついていた時に誘われ、ベンチャーへ飛び込んだ。
やはりなかなか思うようには行かず苦労した。
◆エクサージュ入社
もう一度「自分が持っているスキルや経験、本当は何ができるのか」を考えたところ、やはりコンサルティングだと思った。ただ大手に戻る気はなく、これからは中堅中小が面白いと思い、今のエクサージュの立ち上げに携わる。

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■ His Dreams Come True?

「大学時代は本当にひどい学生だった。勉強はしない、学校にも行かず、アルバイトに明け暮れていた。」と石川さんは学生時代を振り返る。
「ただその頃から漠然と30歳になった自分をイメージしていた。どういう職かは分からないが、グローバルに世界を股にかけて、多くの外国人に囲まれて日本人は自分ひとりで、そこで大きい商談を取りまとめている、というのがかなりリアルにイメージできていて、そうなりたいと思いつづけていた。」・・・セルフイメージはしっかり出来上がっていたようだ。
「30歳を少し過ぎた頃、たまたまグローバルな製薬会社のプロジェクト案件があった。日米欧の 3局で製薬研究開発のリードタイム削減実現のためのプランニングプロジェクト。日系のクライアントだったが活動は欧米でも行うものだった。自分がその提案書を書き、プロジェクトマネジャーとなった。日本人は2名であとは外国人。その時、『自分が学生のときに思い描いていたことは現実となったな』と、つまり【願えば実現する】と思えた瞬間で非常に嬉しかった。」石川さんの例を見ても、やはり思考は現実化するのだ。

◆より深みのあるコンサルティングを提供したい
「一通りの経験をしてきて、達成感を持ってコンサルティングの世界から外に飛び出たが、待ち受けていたのは『〜コンサルティング』というブランドの笠を被った自分でしかなかった。理屈やサービスが正しくても受け入れてもらえず、頭で考えているだけではダメ、人はそれだけでは動かないと理解した。その経験があるからこそ、コンサルティング会社に戻れば今以上に深みのあるコンサルティングを提供できるのではないかと。」
コンサルティング会社から事業会社に転じたり、独立起業する人が多い中で、石川さんが事業会社を経験した後に再度コンサルティング業界に戻った理由だ。
「大手のコンサルティングファームは大企業中心にコンサルティングしていることが多いが、そこで得たノウハウを求めている中堅中小企業、これから公開予定または公開直後の企業も多い。それらの企業には若い社長が多く、そういう方と長い時間をかけて付き合って行き、本当のパートナーになれるのは自分にとって幸せなことだとも思った。」

◆人が好き&ロジカルに考える
「コンサルタントとして自分の資質や能力が活かされている点は、先天的なものとして、【人が好きで人と会って話をするのが楽しい】ということ。後天的なものとしてコンサルティング会社で相当鍛えられた【ロジカルに考える】という、自分で意識して鍛えたスキルがあること。」と分析する。
【人が好きで人と会って話をするのが楽しい】
「人の話から自分が経験していないことを聞かせてもらえて、自分を豊かにすることができる。」
【ロジカルに考える】
「ロジカル思考がないまま人間関係だけでやっていてはプロとしては片手落ち、思考回路を鍛える頭の体操は必要なことと鍛えられ、考える習慣が身についたことはとても大事。」

◆日常生活の中で"Why"を繰り返すこと
「ビジネスマンの間で論理的思考は必要なスキルと言われている。これからコンサルタントを目指す人、自分は論理的思考をしなければ、あるいはしていないからこれから鍛えなければと言う人は、『日常生活の中で"Why"を繰り返すこと』を心がければ良い」と言う。
「自分で意思決定している事に「Why」を持ちこむ。何気ない意思決定は誰でも毎日やっていること。例えば、今日のランチはカツ丼かそばか。何で今日はそばじゃなくてカツ丼が良いのか。」と。
【結果より意思決定までのプロセスが大事】
「『食事とは何か』と言えば、『楽しみの時間』『栄養分の補給のため』『人と会話するときのつまみ』など色々な要素に分解して考えることができる。その要素を考えたとき『今日はサプリを摂って栄養分は足りている』から、その他の要素『楽しい時間』『人との会話のつまみ』を選ぶこととなり、『雰囲気の良いお店』、あるいは『人と話しやすいお店』と考えていく。普段そこまで深く考えて決める人はいないと思うが、意図的に頭の中で考えていくことがビジネスにも役立っていくのではないかと思う。」

◆トップの言葉に人間の大きさを感じる
「アクセンチュアを辞めるもっと前、製薬会社向けのサービスにかかわる前に一度辞めようと思ったことがある。」石川さんにはある転機が訪れていた。
「スーパーマーケット向けのプロジェクトでレイバースケジューリングと呼ばれる会計、人事などのシステム領域で構想策定などのプロジェクトマネジャーをしていた時。商品の仕入れ、店舗のPOSレジなどのメインを見ているもう一方のプロジェクトが大きな問題を起こして、クライアントともめてしまったことがあった。その時当時のトップに『石川くんのプロジェクトは非常に上手くいってクライアントの社長からも気に入られているので、もう一方のプロジェクトに移りクライアント対応をして欲しい』と言われた。相当悩んだ。」せっかくやりがいのあるポジションに就いていた石川さんには寝耳に水のことだったようだ。
「しかもこの対応は今後のキャリアに全く関係がなく、このままでは自分がダメになると感じ、トップに直訴した。すると『心配するな。石川がやっていることはちゃんと見ている。石川がやってくれなかったら自分がやることになる。事業としてやっている限り、考えてもみなかったことが出てくる。それを対応するチャンスに恵まれない人もいる。』と言われ、その時トップの人間の大きさを間近に感じることができ、自分がやろうと前向きにとらえることができた。これが社会人としてのキャリアの転機、前向きに仕事をしようと思ったきっかけだ。」アクセンチュアのトップが抱くこのプロジェクトへの熱意と、石川さんへの深い理解を感じ取った彼の心は大きく動いたのだった。
そして・・・「最終的にはそのクライアントと和解。その瞬間は涙が出た。」
「何で自分がこんなことをしなければいけないのかと、周りの人が羨ましく思えることがあると思うが、そう思い続けているとどうしてもネガティブサイクルに陥ってしまう。それを吹っ切って一生懸命前向きにやっていったことで、その後自らの学生時代の夢をかなえることになった製薬会社向けの新サービス立ち上げというチャンスをプレゼントされたのではないかと思っている。あの時トップにあのように言われていなければ放り出して辞めていた気がする。辞めていたらグローバルな経験もできなかったし、未だに英語もしゃべれず何もできない状態のままで、今の自分はいなかった。」この先の石川さんの活躍は、先にお話いただいたとおりだ。

◆エクサージュについて
「既存の大手コンサルティングファームは総合商社、デパート的に何でもやる、と言っているのに対し、当社はやらないことを明確にしている。例えば、システムインテグレーションはやらない、アウトソーシングもやらない、戦略策定もやらない。業界も金融、官公庁、テレコムなどは現在やっていない。
では何をやるのかと言えば、業務設計、組織設計、ITプランニングのみ。かつ業界もハイテク、医薬、物流、流通に特化してサービスを提供する。
将来的にはインダストリーに関しては規模を大きくして対応し、領域を広げたいと思っている。
日立製作所の資本が入っていて、そのバックボーンが思いきり使えるということも他社にはない強み。」
石川さんは、エクサージュの強みを自信たっぷりにこう答えてくれた。

◆Plan-Do-Seeのサイクルで常にメンバー同士情報の共有
人員が中途(採用のみ)で構成されていること、様々なコンサルティング会社経験者での構成となっていることにより、考え方に偏りがあるのではないか、という私達の投げかけに対しては、「確かに偏りはあるのでそれは変えていきたいと思っている。人材紹介会社の協力を得ながら、コンサルティング会社経験者以外の人、一般事業会社にいた人を採用の対象にしたいと思っている。当社は大手ではないので、新しいものを作っていこうと考え、どんどんキャンディデイトの幅を広げていきたい。」
色々な考えを持つ人がいる中でカルチャーを共有していく、統一感を持たせていくことについては、
「年1度事業計画を立てる際、来期どうするかを常に全員を巻き込んでディスカッションしている。採用計画についてもメンバーを巻き込んで決めて、方向性をシェアしている。月1〜2回はチーム内ミーティングを開き、情報を開示し、みんなで意見を言い合って、正しいと思えば改善している。」
インタビュアー 「事業遂行の中でお互いのベクトルを合わせていくということですね。」
石川さん 「そうです。Plan-Do-Seeのサイクルで常に情報の共有している、というのが成功要因かと。」

◆人をコンサルタントとして評価する
「迎合しない人。」
「自分自身を強く持っている人。」
「人の意見に振り回されずちゃんと自分のメッセージを発信できる人。」
「頭脳プレイだけではなく、人としての温かみのある人。」
「人と人との関係を大切にして土壌を作った上でメッセージを発信できる人。」
迎合してしまうようではコンサルタントとしての評価は低いようだ。とはいえ、人間関係構築の大切さも忘れないことが重要と付け加えた。

◆テクニカルスキルは?必要ないか?
「テクニカルスキルは確かに必要。ただ、やる気さえあれば身についていくものなので絶対条件ではない。」 やる気さえあれば何とでもなる・・・これは未経験者には心強い言葉かもしれない。

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■ 石川さんのビジネス人生に影響を与えた本

◆「ケインとアベル」(上)(下) ジェフリーアーチャー著 新潮社刊
対照的な2人だが根本的なところで理解し合っている。人間力を考える上で非常に参考になった。感動して一生忘れることのできない本。

◆「世界が見える日本が見える」 大前研一著 講談社刊
目からウロコの1冊。新聞やTVで言っていることを鵜呑みにしてはいけない。見方ひとつで色々な解釈が可能だということを知った。

◆「この世で一番の奇跡」 オグ・マンディーノ著 PHP研究所刊
今この一瞬一瞬を一生懸命にやらないのは神に対する冒?だ、といった精神論っぽい本。仕事で憂鬱になったり嫌になったりすることもあるが、「こんなことではいけない」とやる気になり、元気の源となっている。

この3冊は、自分を構成している根本的なものとなっている。

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■ 最近読んだ本

◆「ポップコーンはいかがですか」山本マーク豪著 新潮社刊
ヴァージンシネマを作った人の起業物語。これは刺激的だった。あれだけのものを立ち上げながら、松竹に売却するに至るまでの辛い過程、最後は自分を信じてついてきてくれた社員とともに成功することができたという内容。今、エクサージュでやっているのと同じ思いだった。エクサージュは、仲間と一緒に何のブランドもないゼロから作ったと思っているので、自分にとってはより感動的に心に残った。「よし頑張ろう」と思わせるビジネス書だ。

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